そうだ、京都に行こう。一日目、名古屋編。2006/04/06 20:00

 春、桜、といえば京都。ここ4~5年毎年のように京都に訪れていた。
しかし、昨年は親父の入院、母親の認知症の進行があり、京都どころか仕事もままならない状態であった。
父が退院してからも、毎年恒例の夏の一人旅は、愛知万博を予定しておきながら行かなかったし、今シーズンはスキーも行かなかった。でも今年に入り両親ともだいぶ落ち着いてきたので、今年の春は京都花見を再開したのである。

 僕の京都旅行といえば、いつも貧乏旅行である。基本的には青春18切符を使った往復で、宿はビジネスホテル。1度だけ夜行バス&新幹線を使ったことはあるが、総じて体力勝負だ。
今回も、往復ムーンライトながら号。宿はビジネスホテル素泊まりの予定。
しかし、桜の時期、京都はビジネスホテルでさえ満室。そこで、今回は京都に1泊、大阪に1泊することにした。
 当初、大阪から天橋立に行こうと画策し、北タンゴ鉄道を「ぐるり日本鉄道の旅」で予習していたのだが、青春18切符の鈍行だけでは、帰りのムーンライトながら号に乗れない(乗れるが、観光時間が取れない)ということで、阪堺電軌に乗りに行くことを決めた。
 そして、往路では昨夏に行けなかった名古屋近辺を回ることにしたのだった。

 4月5日東京発23:43分。これから約6時間のムーンライトながら号。ながらの常連としては、小道具は欠かせない。耳栓&サングラス&ビール。これで明日の朝まで熟睡(アイマスクは防犯上よくない)。珍しく、横浜までに社内検札が来たので、早々に寝ることができた。

 名古屋着6:00過ぎ。そこそこの天気である。地下鉄の券売機で一日乗車券を購入。一路藤が丘へ。駅前で朝飯を食った後、今日のお目当て、リニモに乗車。朝6時台ということもあり、乗客はまばら。一番前の席に陣取り、大きな車窓を堪能。

 まずはじめの途中下車は「長久手古戦場」。駅前に公園があり、桜が咲いている。
東京ではすでに満開を少し過ぎたころであったが、名古屋は7分咲きといったところか。朝の日差しを浴びながら、最初の花見を楽しんだ。


 次に途中下車したのが愛地球博記念公園。万博会場跡地に公園ができると聞いていたので降りたのだが、ホームから見た風景は工事の真っ最中。結局改札の外には出ず、終点の八草駅に向かったのである。
 終点八草では、リニモの転轍を動画に収め、愛知環状鉄道に乗り換え。ほとんどJRと変わらない車両に乗り込み、高蔵寺に向かう。
 高蔵寺駅から次のお目当、ガイドウェイバス。バスが新交通システムみたいな専用道路を走るというもの。見た目なんてことのない普通のバスだが、専用道路上では運転手さんはハンドル操作をせず、アクセルとブレーキだけ。一般の車両も入ってこないので渋滞もない。鉄道を作るほど需要はないが、渋滞に悩む中核都市に向いているシステムだと思った。
 このバスは、大曽根行きだが途中の砂田橋で下車。地下鉄名城線(環状線)に乗り換える。ここでは、せっかくのプライベート旅行なのに、他企業のバリアフリー化状況を観察してしまった。

ここまできてもまだ11時である。そのまま京都に向かおうか、地下鉄の開業部分を全部乗りつぶそうか車内で迷っていたところ、「あおなみ線」に乗っていないことに気づく。
 ということで名古屋駅に戻り、とりあえず1駅だけの切符を購入して、隣駅「ささしまライブ」駅に向かう。あおなみ線の車両、ホームゲートにさえぎられてよく見えないが、なんとなく東京の新交通「ゆりかもめ」とデザインがそっくりである。
車内に入れば、まだ新しい路線ということもあり広告が少ない。その広告スペースに張ってあったのが、「あおなみ線と桜のある風景」フォトコンテスト。 荒子川公園の桜をバックに列車が走っている。これは行かないわけにはいかんだろう。サーカスのテントしかない「ささしまライブ」乗り越して、荒子川公園駅へ。
いや~、これが正解。公園の桜は8分咲きだが、川添に植えられているその本数に圧倒。まさに桜のトンネルである。天気もよく桜と車両との写真もカメラに収めることができ、満足だった。ただ、ここの公園、近くに店がなく昼食をとることができなかったので、名古屋に戻る。

そして、名古屋から新快速に乗り、大垣-米原と乗り換え、京都へ15:00過ぎに到着した。

京都駅で、最初に行った所。それは中央口2階にある観光案内所。ここには京都の桜の開花情報が貼ってある。三千院つぼみ、上加茂五分咲き、神社哲学の径七分咲き、嵐山七分咲き、なんだ、まだ咲いてないじゃん。東京じゃ満開を過ぎていたので、散ってはいないかとちょっと心配だったが、逆に咲いてなくてがっかり。
それから京都市営交通の2日券を買い、早速、地下鉄で蹴上駅に向かった。ここは、全国的にはマイナーだけど京都じゃメジャーという桜の名所、インクラインがある。
僕のお気に入りの場所。京都の花見旅の象徴と言っても良いくらい。初めて訪れたときにその美しさに感動し、その後も毎回訪れる場所。
大波乱の昨春。その因縁を払拭するためにも、まずインクラインを訪れたかったのだ。
 果たして、レールはそこにあり、桜が覆いかぶさるように咲き誇っていた。
インクラインの坂を下れば、金色に輝く銅像がいつもと変わらず力を解き放っている。南善寺へ向かう陸橋からインクラインを見下ろせば、レールの上を楽しそうに歩く子供がいる。
 あぁ、昨年僕がここにこられなかったときも、同じ風景が繰り返されていたのだろう。そして、今年はここに立っている。そして、来年もここにくるんだ。そう誓った。

 さて、このころの天気はというと、薄曇り。天気がよければ、平安神宮の枝垂桜でも見に行こうと思っていたが、時刻も16:00をまわっていたので、屋外散策は一度終了。尾張屋というお香の店に行く。京阪三条から少し降りたところにその店はあり、流暢な京都弁を操るじぃさんが今も店を守っていた。そこで、におい袋とお線香を購入し、一度ホテルへ。

 チェックインをして、風呂に入った後、外で夕食をとり、嵐山電鉄に乗りに行く。お目当ては鳴滝~高雄口間のライトアップ。四条大宮から乗車し、帷子ノ辻で乗り換え。北野白梅町に向かう列車はすでに満員だった。
 この嵐山電鉄のライトアップ、夜桜を照明で照らすだけでなく、列車の室内灯も消す。なので、夜桜が一層幻想的に見えるのだ。しかし往路では混雑で車窓を堪能することができなかった。
 御室で下車し、今度は復路に乗車。こちらはほどほどの込み具合だったので、最前列に移動し、カメラを構える。先ほどのスポットに差し掛かる。電気が消える。
 おお、きれいだ!カメラの液晶を覗いている場合などではない。まさに桜と光のトンネルをくぐっているよう。嵐電も粋なことをしてくれるね!
明日は明るいうちにここに来ようと心に決め、ホテルに戻ったのであった。

二日目に続く。

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